2009年04月14日

「春の儚いもの」たち

飛騨の春は短く、短い春を謳歌するかのように、一斉に多くの花が咲き競います。
まさに、百花繚乱。心躍る季節です。

「春の儚いもの」たち



さて、それらの花の中で、春まだ浅い頃顔を出し、早々に花を付け、種子をつけ、夏までには葉も枯れ、その後は地中で再び春を待つ一連の春植物の総称を スプリング・エフェメラル とよびます。意味は「春の儚いもの」「春の短い命」。ちょっと素敵な和訳でしょ。

「春の儚いもの」たち



地上にその姿を見せてくれるのは、僅か2ヶ月間。その造形美と今日まで絶えることなく生き抜いてきた適応力には本当に驚かされます。

さて、そもそも、なぜ彼らは2ヶ月間しか地上に姿を現さないのか。それは、彼らが林床を終の棲家に選んだからでしょうか。落葉した木々の足元は日差しが十分に入ります。やがて樹木の若葉が広がり、林内が暗くなるまでの期間、光合成を行い、地下に栄養を蓄え、種子を残していったのです。なにしろ、樹木が目を覚ます前に花を付ける必要があった彼らの活動時期は、まだまだ寒い時期で、高く伸びて寒気にさらされることのないよう、そして、何よりまず花に力のほとんどをささげるため、いずれも小さな草本にならざるをえなかったのでしょうか。

気の遠くなるような長い年月を生き抜いてきた彼らの英知を飛騨の自然とともにこれから時折、ご紹介していきたいと思っています。


「春の儚いもの」たち



 
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Posted by もりのしぜんがっこう at ◆2009年04月14日14:52自然
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